【撮影記】京都 南禅寺付近を歩く
昼下がりの三条通り。交通量は少なめ。
蹴上方面へ向かうと、春は桜で有名な「蹴上インクライン」が見える。ここは京都の発展にも大きく影響を与えた琵琶湖疎水の舟運ルートのうち、傾斜鉄道を用いて船を運搬していた場所。この付近の歴史は非常に面白い。
そのインクラインの真下には「ねじりまんぽ」という小さなトンネルがある。この扁額やトンネルの造り一つ一つに歴史がある。詳しくは以下のページに。
琵琶湖疎水では他のトンネルにも扁額が飾られている。それを探す旅もまた良い。
ねじりまんぽから歩くこと数分。南禅寺に到着する。日本史で「京都五山」や「鎌倉五山」を習った記憶があれば「南禅寺」も記憶にあるはず。ここは五山の最上位、禅宗のうち南禅寺派の大本山になる。
軒丸瓦には一つ一つ「南禅」の文字が施されている。建物を見るときは是非瓦にも注目すると、職人のこだわりや歴史を感じとることができる。こうした歴史的建造物に用いられる瓦は大量生産では対応できないものばかり。京都の浅田製瓦工場では現在でも京瓦の手作りによる製造が続いている。熟練の技によって古代の建築は守られているのかもしれない。
南禅寺にはもう一つの有名観光地「水路閣」がある。ここも琵琶湖疎水事業の一つ、レンガ造りの巨大な構造物が奥に凛と佇む。
ここは常に観光客が写真を撮るところでもあり、できるだけ肖像権に配慮するとこのような構図に。橋脚の間は空間があり、ここでは多くの人が写真を撮る。独り占めの景色を見るためには、シーズンや時間帯をよく考えて訪れなければならない。
侘び寂びの世界。
青鷺は何を見つめているのか。