【撮影記】夏の美瑛・富良野(後編)
紫の絨毯、2021の夏
ラベンダーも人気だが、それ以外の景色も堪能できる。ここは旭野やまびこ高地。かみふらの八景のうち1箇所で、この先は行き止まり。さっきまで居た十勝岳が遠くに見える。とは言っても、かみふらの八景の中では最も十勝岳が近くに見える場所。
ここ日の出公園はご覧の通りラベンダーが見頃。休日は数多くの観光客が訪れるが、この日は平日のためのんびり眺められる。
一面に紫が広がり、遠くには上富良野の街並みがミニチュアのように見える。
ここもかみふらの八景のうちの1つ。かみふらの八景は1999年に制定。有名どころから知られざるスポットまで、町民の推薦で制定された。
八景に共通するのが「十勝岳の景観が素晴らしいこと」
この時点で時刻は14時。夏の日が長い時期とはいえ、山にかかってしまう前に次の目的地へと急ぐ。
この日の富良野付近は最高気温35度。日差しも強く、汗ばむ気温。しかし、本州の夏とは違い、カラッと晴れているので蒸し暑さという不快感が無い。これぞ北海道の夏。もっとも、この後のオリンピック期間の北海道は連日猛暑が続くわけだが。
徒歩で頂上まで行くこともできるが、そこそこの傾斜もあり、前述のようにこの日は暑かったこともあったため大人しくリフトで上がる。検温時に直射日光で火照った身体がどう影響するか冷や冷やしたが、無事に通過。
ここは東に十勝岳や中富良野町の町並みが広がるため、太陽がよく当たる午後からが見頃。ただ、この日は前半の詰め込みの遅れもあり、すでに西の山々に太陽が隠れ始めてしまった。それでも、スポットライトのように照らされたラベンダーを開放絞りでトロットロにボカす。これはこれでよしとする。
有名観光地、冨田ファーム。連日の暑さのため、ラベンダーや花々もへたってたようで、もう数日遅くても見頃だったらしい。返却時間も近づいてきているので、ラベンダーソフトを食べて旭川に戻り始める。
道中、西陽が綺麗に見えるので寄り道。SEL14F18GMの抜けの良い描写が印象的。ただ、単焦点レンズを交換しながら運用するとゴミがどうしても入ってしまう。ミラーレスの宿敵だが、なるべく交換時に配慮したり、ブロワーで吹き飛ばすなどしないと、家に帰っていざ現像するときに泣きながら修正する羽目になる。カメラのモニターでは意外と気づきにくい。
美瑛に来るときに必ずと言っていいほど訪れる場所、セブンスターの木。今回も例に漏れずここからスタートし、そしてゴール地点でもある。東の空には上弦をやや過ぎた月が空高く昇っている。夏の美瑛・富良野。じっくり味わうのは今年が最後かもしれない。次に訪れる時はどんな風景になっているか、あまり変わっていないのか。数年後、数十年後に必ず訪れるだろうからこそ、どんな写真でも良いので、「2021年の夏はこうだった」と記録に残しておく。それだけでも十分に価値がある。