【撮影記】北海道で紅葉狩り(後編)
3部構成の前編・中編では滝の上公園での撮影記をまとめた。今回はその最終回。
前回の撮影地、滝の上公園を後にし、続いては南富良野町方面へと進む。
1時間半ほど走ると「かなやま湖」に到着する。途中の景色も絶景揃いだったが、車を止められる場所も少なく、ただドライブするだけになった。それも悪くはない。
場所はこのあたり。富良野方面からきた根室本線がこの先で新狩勝トンネルで石勝線と合流する。しかし2016年の台風10号の影響で東鹿越駅から落合駅までは代行バスでの運行となっている。復旧は未定とのことだ。
山間の日没は早い。すでにこの時点で時刻は15時。山際は影が広がっている。記念撮影なんてしている場合ではない。
かなやま湖森林公園という場所に到着。ラベンダーの時期も非常に綺麗だそうで、キャンプなどもできる広い公園だ。また夏にでも来てみたい。
対岸はエゾマツやトドマツの原生林が広がり、湖には幻の魚「イトウ」なども生息するとのこと。どうぶつの森でイトウは15000ベルで売れる。そんな魚が目の前を泳いでいるかもしれないと思うとドキドキが止まらない。
こんなに天然湖かと思わせる景色が広がっているが、かなやま湖の本当の姿はダム湖。ここ金山ダムは総貯水容量1億5000万トン。道民の生活用水を3ヶ月賄える量とのこと。ダムについては門外漢だが、ダム巡りも面白そうだと思う。いつかやってみよう。
その森林公園から眺める景色がもう最高。黄と緑のコントラストが美しい。もはや金色。しかも周囲には人っ子ひとりいない。束の間の静謐なひとときがそこにはあった。絶景を独り占めとはまさにこのこと。
対岸には東鹿越駅を出発した滝川行き普通列車が走る。少々離れているが遮る障害物が少ないので列車の音は案外大きく聞こえる。望遠で撮影するためにAPS-Cのサブ機を久々に投入。
列車は滝川へ向かう。
日没も迫ってきた。
本シリーズ冒頭に書いた通り、「反射をコントロールする」ことが今回のテーマ。C-PLフィルターが無いと紅葉などはテカテカしてしまって現像時に思うように色が出なかったりする。ただ実は裏テーマもあった。「家で眠っているND100000フィルターを日常で使うとどうなるか」
NDフィルターは光量を減少させるときに使う。ND4とかND8など、減光量を数字で表す(4分の1、8分の1など)が、太陽撮影用のフィルターとしてND100000も発売されている。つまり、光量が10万分の1になるフィルターだ。元はと言えば2012年の金環日食や金星の日面通過の撮影用に購入したが、他にも使用用途があっていいんじゃないかと思い、今回使ってみた。
嘘です。ND4とか新たに買うお金がなかったので代用しただけです。
おかげさまで120秒という長時間露光で湖面に反射する景色が薄ぼんやりと映し出されている。他の写真と比較すると分かるが、波があると綺麗に景色は映らない。そういう時は長時間露光することで、反射した景色を浮かび上がらせることもする(もちろん限界はあるけど)
金と青のコントラスト。絶景を独り占め。
列車が過ぎ去った湖はまた静かに時間が流れる。
ここにて日没を迎え、富良野、三笠を経由して札幌へと戻る。とにかく満喫した1日だった。
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