【撮影記】関西国際空港
年が明けた。それでも非日常は続く。
年始の関西国際空港。椅子は1席ずつ利用できないようになっていた。2021年になってもまだまだ厳しい現実が広がる。この日搭乗予定の札幌行きの飛行機は。2週間前の段階で普通席はほぼ空席。本当に飛ぶのかという不安がよぎる。そして周囲に同じ飛行機を利用すると思しき人は10名程度。すでに登場開始15分前のことだ。 まるで路線バスの待合室のような空間であった。
新千歳発関空行きB737が到着する。1000km以上の空の旅を終えたこの飛行機はこのまま折り返し新千歳に向かう。機体は束の間の休息だが、中や外では慌ただしく次のフライトへ向けた準備が行われる。
飛行機は「マーシャラー」と呼ばれる誘導員の指示に従って的確に駐機場に停止する。各関係者の連携あってこそ。
B737は比較的小型の飛行機のため、エンジンの下部が地面に接しないよう少し楕円形になっているのが特徴。
羽田行き。飛行機はトンボと同じく自力でバックができない。いやもちろん逆噴射を思いっきりかければできなくはないとは思うが、通常そういった形でバックはしない。ではどのようにするのかというと、写真中央にある「トーイングカー」に押してもらう(プッシュバック)形で飛行機は後退することができる。
プッシュバックが完了した飛行機は誘導路をタキシングし、滑走路から離陸していく。関西国際空港は1ヶ月に約17000回、1日約500回ほどの離発着が行われていたが、これはコロナ以前の数値。具体的な数値は把握していないが、数分の1、数十分の1の数字でも全く不思議ではない。
飛行機が飛び立った後の空港はまた静けさが戻る。