Nabeshi photo blog

日常写真の備忘録です。どうぞよしなに。

【撮影記】ふたご座流星群2020

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三大流星群のひとつ、ふたご座流星群。空の暗いところでは1時間に50〜60個の流星が見えるという。当日の北海道の天気は微妙だったので、極大前夜ではあるが札幌から車で1時間ほどにある「支笏湖」まで行ってきた。

 

 

札幌からアクセスしやすい天体観測地として重宝する支笏湖だが、北部にあるポロピナイの営業期間中(4〜11月頃)は夜間でもライトアップが入ってしまう。そのため暗夜を楽しむためにはそれ以外の季節(12〜3月)に限られてしまう。詳しい営業期間は支笏湖観光センターのHPにて随時公開しているので時期が近づいたら要チェック。

ちなみに夏場はトイレも24時間利用できるという利点はあるが、冬季はこれも封鎖されてしまうことに注意。

 

とはいえ、新月期には必ずと言っていいほど天文ファンが訪れる場所でもある。この日も多くの人出が。

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昇るオリオン α7Ⅲ + SIGMA 35mm f1.2 DG DN Art / f1.6 13sec ISO1600 プロソフトンA

天の川も眼視できるほどの暗さだが、かといって真っ暗というわけではない。周囲には札幌市、千歳市苫小牧市などの市街地があるため、東から北方面の空にかけて光害の影響が見られる。でも車で1時間ほどで到着するということを考えるとコストパフォーマンスは十分。

Light pollution mapでは光害の程度を定量的に見ることができる。支笏湖近辺はレベル4。これは9段階あるランクわけのうち、暗い方から数えて4段階目にあたる。東京など都心部は最低ランクのレベル8-9、日本一の星空と謳う長野県阿智村も実はレベル3-4程度。道北の山奥などではレベル2の星空が広がる。本州はすぐ近くに大都市が広がるので理想の星空を見ることができる場所はなかなか限られている。参考程度に。

 

www.lightpollutionmap.info

 

そういえば、2020年で最も話題になったニュースとしてベテルギウスの異常減光が挙げられる。昨年の10月から今年の4月にかけて、2等星レベルにまで暗くなってしまった。最近はあまり話題にあがらなくなってしまったが、どうやら本来の輝きを取り戻しつつあるようだ。(最近では変光周期よりも早く減光が始まりつつあるという話もあるが)

 

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ぎょしゃ座とおうし座 f1.8 105s×8 ISO800

 真ん中上の五角形のような星座がぎょしゃ座、そのうち明るい星が一等星「カペラ」下部左側のV字型の星団が「ヒアデス星団」、右側の星の集まりが「プレアデス星団」。

自動車メーカーの「SUBARU」はこのプレアデス星団の和名「昴(すばる)」が由来。

冬の星座は明るい星や賑やかな星が多く、都心部でも比較的観測が容易でもある。

 

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オリオンからすばる / f1.8 105s×16 ISO800

 フルサイズ35mmだとオリオンからすばるまで入れるのは少しパンパン。もう少しゆとりある構図を選ぶか、焦点距離を調整したい。生憎単焦点レンズなので後者はどうすることもできないが、まあこれも経験。

 

そうそう。この日はふたご座流星群。22時くらいからは数分に1個ペースで流れていたのでさすがは三大流星群という感じ。残念ながらフレームインはなかった。

一人で流星群を見ると、今のは流れたのか、はたまた幻覚なのか、確信のつかない時もある。でも周囲に何人かいると、流れたのかどうかの証人がつくので安心。

流星群はそもそも彗星などが撒き散らしたチリの帯に、地球が突入する際に見られる現象。道民なら、10月頃に雪虫の大群に突入する経験があるかと思うが、まさにあんな感じ。そう考えると神秘さが皆無だが、かつて数年〜数百年か前にそこを通過した彗星が広大な宇宙空間に撒き散らした微小な石ころの大群と出会うと考えると神秘さは担保される。

それぞれの流星群には生みの親、母天体が存在する。今回のふたご座流星群の母天体は小惑星ファエトン。元々は彗星だったとかなんとかで、今でも彗星状の尾があるとかなんとか。難しい話なので「素敵だ」ということにしておこう。

 

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撮影風景。iPhone11Proでも星空は写る。

せっかくなので撮影風景も。iPhoneのナイトモードで10〜30秒の露出も可能。おかげでスマホで星空も撮れる時代になった。もちろん手持ちで、最後寒すぎて撮り切る前にスマホを下ろしてしまったが、どうやら自動的にブレた部分は取り除かれているようで、技術の進歩を感じた。

 

本日の使用機材についてはこちら

 

nabeshiphoto.hatenablog.com