【撮影記】流氷の北浜駅(後編)
リベンジなるか。
前回は生憎流氷のない綺麗なオホーツク海が顔を出していた。それから数日後、爆弾低気圧による荒天で全道的に吹雪となる。その翌日、再び北浜駅へ。
完璧。風向きによってはまた前回同様、流氷の「り」の字もないことを覚悟していたが、北風が吹いたおかげか、オホーツク海側の海岸全体に流氷が接岸していた。その上天候も雲量0。風も穏やかで申し分ない天気だった。この1枚でリベンジ成功と言える。
線路の少し向こう、そこから果てしなく広がる流氷。正真正銘そこは海である。疑うならば前回の記事をもう一度確認。西日に照らされてややオレンジに光る流氷。そして鉄道との組み合わせが見られるのは日本でもここだけ、世界でも数えるほどしか無いのでは無いか。
天気よし、気温よし、流氷よし。三拍子揃ったこの日は現地の人も口を揃えて「今シーズン最高の条件」という。前回とほぼ同時刻だが遠くの知床連山がより立派に見えるのは気のせいか。
1週間に2回も札幌から網走まで移動するのは正気の沙汰では無いが、そのおかげもあって数日間の比較が可能になった。この写真をよく見ると上位蜃気楼は発生していないことがわかる。前回は流氷こそないものの、蜃気楼が発生している姿を見ることができた。
列車のヘッドライトが反射する。
地球探索鉄道のラッピング車両。道東地域で走っており、釧路、根室、網走などを往来している。この日は網走間での運用だったのか、北浜駅でも見ることができた。遠く向こうの空には地球の影、ビーナスベルトが少しづつ見え始める時刻。道東の日没は早い。
列車は終着網走駅に向かって走り去った。